松下幸之助による設立以来、政界のみならず各界にリーダーを輩出し続けてきた政経塾での、幸之助のリーダー向け講話を編集、収録。
パナソニックグループを創りあげた松下幸之助がその私財70億円を投じてはじめられた松下政経塾。
この塾はその後政財界に多くのリーダーを輩出してきた。
それから30年が経ち、いまの日本は「百年に一度」の危機に瀕している。
それは実体経済面だけの話ではない。
企業人、政治家・官僚が精神の危機に陥っているという点では、まさしく未曾有の危機なのかもしれない。
2008年後半からの景気悪化にともない、給与・賞与削減、人員削減といったリストラ策を決断せざるを得ない状況のなかで「リーダー不在」が叫ばれる日本。
リーダーたるものまたリーダーを目指す人は日々なにを心がけておくべきか。
本書では、松下が当時の塾生たちにその思いを切々と伝えつづけた未公開テープ約百時間を中心にしつつ、政経塾の人間教育をベースにして構成されたものである。
物事の本質を見極め衆知を集めつつ道を切りひらいていく人材となるために大切なことが凝縮された一冊。
【述者】松下幸之助
パナソニック(旧松下電器)グループ創業者、PHP研究所創設者。
明 治27(1894)年、和歌山県に生まれる。
9歳で単身大阪に出、火鉢店、自 転車店に奉公ののち、大阪電燈に勤務。
大正7(1918)年、23歳で松下電気器具製作所(昭和10年に松下電器産業に改称)を創業。
昭和21(1946) 年には、「Peace and Happiness through Prosperity=繁栄によって平和と 幸福を」のスローガンを掲げてPHP研究所を創設。
平成元(1989)年に94 歳で没。
【編者】松下政経塾
故・松下幸之助が拠出した資財70億円を基金として、1979年に財団法人として設立。
21世紀に理想の日本を実現するための諸理念・方策の探究と、それを推進していく人材の育成を目的とし、現在、政界、財界に多くの人材を輩出している。
自修自得、現地現場主義、徳知三位一体の方針に基づき、人間を磨き、志を確立するべく、塾生たちが研修に励んでいる(研修期間は3年間)。